学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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現代政策研究センター設立記念講座 第3回目開催

2008年11月29日午後3時より、学校法人城西大学現代政策研究センター開設記念講座「急拡大する21世紀の世界経済における課題」の第3回目を開催しました。城西国際大学へも遠隔中継がなされ、ホール来場者と合わせ、約200名が受講しました。

講義の様子

講義の様子

竹ケ原講師

竹ケ原講師

第3回目は、「環境問題と資源インフレ」というテーマで、日本政策投資銀行公共ソリューション部課長の竹ケ原啓介氏に講義をいただきました。

竹ヶ原先生はドイツ駐在経験が長いことから、今回の講演では、資源価格の高騰によって環境技術(クリーンテック)の開発と普及が促進されるのかどうかについて、EUとりわけドイツにおける再生可能エネルギーとリサイクルを事例に話を展開しました。

まず、既存のエネルギー資源(例えば石油)の価格が高騰すれば、その代替となる再生可能エネルギー(例えば風力や太陽光)の価格競争力が増し、代替技術の開発が進み普及が促進すると一般的には考えられていますが、現実にはなかなか理論どおりには進まない問題点を指摘し、その上で、真の課題は資源価格の高騰そのものではなく、この不安定な状況のなかでいかにして環境技術を促進していくのかであるとして、特に政策の重要性を強調しました。

ドイツでは、地理的条件が恵まれているわけではないにもかかわらず、風力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーの普及が広がっており、インセンティヴ(経済的動機付け)をうまく活用した制度づくりがキーポイントであることが具体的な事例をもとに説明。日本についても言及し、技術力は十分に持っているので、今後は政策による上手な制度づくりが求められているとし、ゆえに現代政策学部ならびに現代政策研究センターに期待していますとまとめを述べました。

総括する城西大学石井講師

総括する城西大学石井講師


 最後に本学現代政策学部石井雅章講師が講義の総括を行い、環境技術の促進のためには、政策による制度づくりの重要性を理解し、技術の普及段階に応じて具体的かつ細かなインセンティブを組み込むことが重要であることを確認しました。

今回の講演では、資源だけではなく環境技術への投資もすでに投機の対象として扱われていることが指摘され、サブプライムローンだけでなくあらゆるものが投機マネーの対象となっていることがあらためて理解されました。

全3回の講演を通じて、単なる価格高騰の問題として捉えるのではなく、投機マネーの流入による急激な価格変動への対応こそが解決の急がれる課題であるとの共通理解ができました。これが、今回の現代政策研究センター設立記念講座の大きな成果と言えるでしょう。


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