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若松孝二監督による講演会「名作誕生秘話」 開催しました

6月13日土曜日に、エクステンション講座におきまして、『キネマ旬報』90周年記念「名作誕生秘話」と題しましたスペシャル・セミナーを開催しました。初回の今回は、社会的反響も大きかった『愛のコリーダ』を取り上げました。

この作品は、“ 阿部定”事件として知られる、昭和11年5月に起きた実在する猟奇的事件を、ハードコア・ポルノとして映画化することが、1972年、フランスのプロデューサーから大島渚監督に提案。当時、映画界では世界的に性表現の解放が進む時期ではありましたが、大島渚監督は、新しいチャレンジとしてこの企画を受け入れました。しかし、日本では前例のない撮影だけに困難は多く、そこで大島監督は、ピンク映画界の巨匠、若松孝二氏にプロデュースの依頼をしました。予算は、5000万だったそうです。キャスティングの困難さ、ハードなセックス・シーンの撮影など異例づくめの製作となり、大島監督と俳優・スタッフをつなぐ仕事は非常にタフなものでしたが、結果的にカンヌ国際映画祭で大きな注目を集めた作品となり、興行収入も大きかったと述懐しました。その後、日本における税関、上映での問題なども含め、この作品の背後にあったさまざまな出来事について、今だから話せる制作にまつわるあれこれを率直にお話されました。

当日は、古くからの映画ファンをはじめ、メディア学部の学生も含め、100名を超える受講生が熱心に聞き、楽しい雰囲気の中、活発な質疑応答もなされました。

現在も制作会社を頼らず、自分で費用を集め、「自分は、時代の大きな節目となる事件を取り上げ、自らの目で捉え、考え、そして後世の人にも伝わるような映画を作り続けていきたい。」と語る若松氏に、観客から大きな拍手が寄せられました。

当時を懐かしむつつ語る若松孝二監督

当時を懐かしむつつ語る若松孝二監督

講演会の様子

講演会の様子


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