2010年3月26日(金)11時より、東京紀尾井町キャンパスにおいて、学校法人城西大学国際学術文化振興センターならびに同人誌『カリヨン通り』共催により、日本を訪問中のジェローム・ローゼンバーグ氏をお招きし、詩の話と朗読会を開催しました。
ジェローム・ローゼンバーグ氏は、北米先住民の歌を英語に翻訳した民俗学者でもあり、また、現代アメリカを代表する詩人でもあります。対談者として、ローゼンバーグ氏の古い友人で、城西国際大学の客員教授吉増剛造先生、詩人の白石かずこさんがいらしてくれました。
そして受講者として、詩人佐川亜紀さんをはじめ、詩の編集者、JIUの人文学部の先生方、詩を研究テーマにしている大学院生など全部で20名ほどが参加しました。
冒頭、水田宗子理事長より、「ローゼンバーグ先生による城西国際大学において二度目のご講演に感謝します。私たちの大学には吉増剛造先生という世界的に活躍をされている詩人がおられますし、それから大学院の講座で現代詩を扱っていることもあって、私の古いときからの詩の友人の白石かずこさんも参加しての詩の話と朗読会を大変楽しみにしています。」と挨拶がありました。
3人の高名な詩人による鼎談により、ケネス・レクスロスからはじまったアメリカ現代詩の歴史、そしてローゼンバーグ氏が手がけたアメリカ・インディアンの歌を英訳した仕事がその後のアメリカの詩の世界に大きなインパクトを与えたこと、そして、ローゼンバーグ氏が考える、詩をパフォーマンスの場としてとらえ、その場において何かが立ち上がってくるのを参加者が感じることの重要性が3人の共感をもって語られました。
ローゼンバーグ氏は、実際に「けもの」の詩を詠唱し、その場にいあわせた皆は、違うメロディーで幾度も繰り返される「けもの」の言葉にそこに草原が広がり、けものたちが走っているような幻を見る思いがし、場の大切さを体験することができました。
最後に白石氏による自作の詩「小さな惑星」の朗読、引き続いて、アレン・ギンズバーグ氏による英訳された「Little Planet」をローゼンバーグ氏が朗読し、大きな盛り上がりの中、終了しました。
挨拶する水田理事長
鼎談の様子
腕をまわしながら「けもの」を詠唱
朗読する白石かずこ
白石かずこの詩の英訳を朗読するローゼンバーグ氏