学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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「災害とジェンダー」の勉強会が開催されました

東日本大震災から一ヶ月後の2011年4月11日、「6.11シンポ実行委員会作業チーム」、城西国際大学ジェンダー・女性学研究所の共催で、「災害とジェンダー」の勉強会が城西国際大学の紀尾井町キャンパスにて開催されました。

この勉強会には、堂本暁子前千葉県知事をはじめとして、東金病院副院長の天野恵子先生、「高齢社会をよくする女性の会」代表の樋口恵子先生、全国女性会館協議会館長の大野曜先生、城西国際大学教授の原ひろ子先生ら女性研究者が集まり、災害時に表面化するジェンダー問題について議論されました。

この勉強会の呼びかけ人の一人である堂本前知事は、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(女性の健康と権利)と、性差医療の観点から女性の身体問題に取り組む国際的組織であるWHJ(女性と健康ネットワーク)の代表を務めており、今回の震災被害を受けて、女性の視点からの支援を行うための具体策を検討するため、急遽この勉強会を立ち上げました。

勉強会では、災害時において顕著になるジェンダー格差について、具体的には防災における男女共同参画施策、被災地での女性活動家の視座から支援問題などが各研究者から報告されました。産む身体を抱える女性は、震災における一次被害だけでなく、長く続く避難生活、家族秩序の中で二次被害の影響を受けやすく、ドメスティック・バイオレンス(DV) も、災害時においてその件数が増加することが報告されています。

この勉強会では、日常におけるジェンダー格差が災害という非常時においては、その差による問題点がより顕著に露呈するということを確認することができました。また、城西国際大学の学生からの質問も活発に挙がり、「災害とジェンダー」の課題を深く認識する契機となりました。

なお、この勉強会での議論は、早速支援の場に活かしつつさらに深く検討された上で、震災から3ヶ月後の6月11日に開催のシンポジウムにおいて発表される予定です。

【当日のプログラム】

全体司会:青木玲子(JAWW:日本女性監視機構事務局長、NPO法人全国女性会館協議会常任理事)
Ⅰ.女性と健康ネットワーク(WHJ)・堂本暁子代表(前千葉県知事)
  「会の趣旨と4月1日の 福島・仙台におけるWHJ予備調査」
Ⅱ.日本赤十字看護大学・小原真理子教授:「日本災害看護学会の活動について:
  3月20-23日岩手先遣隊(宮城・岩手方面第3次隊)の活動と課題」
Ⅲ.全国地域婦人団体連絡協議会(全地婦連)事務局浅野幸子研究員:
  「全地婦連の動きと1995年以来、地域防災に関する研究に関って」
Ⅳ.関西学院大学災害復興制度研究所・山地久美子准教授(NPO神戸まちづくり研究所副理事長):
  「日本の災害復興施策をめぐる課題」
Ⅴ.静岡大学教育学部・池田惠子教授:「防災、災害被害者支援、復興対策に関する国際的動向」
Ⅵ.自由討議とまとめ


 

勉強会に先立って挨拶された堂本前千葉県知事

勉強会に先立って挨拶された堂本前千葉県知事

司会を務めた本学の原教授

司会を務めた本学の原教授

 

質問するJIUの大学院生

質問するJIUの大学院生

会場の様子

会場の様子


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