学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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水田理事長日本社会文学会で基調講演・「私語りから自己表象-1960年代の女性文学」

2011年6月25日、26日の二日間にわたり、二松学舎大学九段キャンパスにおいて日本社会文学会春季大会が開催されました。本大会の全体テーマは、「1960年代文化・文学の再検討」です。その中で、水田理事長による講演、「私語りから自己表象へ―1960年代の女性文学」が行われました。

講演では、1960年代の時代背景とともに、その中で詩作・創作を行っていた女性詩人・作家のジェンダー思想について言及されました。

1960年代は、水田先生が大学を卒業しアメリカへと留学に渡って行った時代です。この時代は、コンゴの政変やキューバ危機、アメリカのゴールデン60’Sと、戦後秩序を再編する文化が勃興していました。中産階級価値に対する批判などが噴出した1960年代は、1950 年代の政治体制批判が変容し、文化構造を問い直す流動的、躍動的時代だったといいます。

女性文学もこうした時代の流れを受けています。ジェンダー文化に対して女の側から異議申し立てが行われました。詩や小説という表現媒体を通して、女性たちは「女」という文化規範に縛られない自己を求めていきます。詩では、石垣りん、吉原幸子、白石かずこなど、小説では河野多恵子、高橋たか子、大庭みな子らが活躍した時代でした。彼女たちの個体意識は強く、第二派フェミニズムの先鞭をつけるような女性表現を行っています。

本講演において水田先生は、女性とは何か、セクシュアリティとは何かを「個体」として向き合った女性たちの表現について、自身の時代経験とともに分かりやすく説明されました。

会場には、120名ほどの受講者、また水田先生のゼミ生、女性学専攻の大学院生も多く駆けつけ、1時間に及ぶ講演に学生たちは熱心に聞き入っていました。

女性表現・フェミニズム文化批評については、城西国際大学大学院人文科学研究科女性学専攻(修士)、比較文化専攻(博士)においてより詳しいカリキュラムで学ぶことができます。

 

基調講演する水田理事長

基調講演する水田理事長

120名を超える受講者

120名を超える受講者


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