2013年2月5日（火）、本学東京紀尾井町キャンパス地下ホールにおいて「V4（ヴィシェグラード4）＋日本　東方パートナーシップ・セミナー」が、外務省、V4諸国、本学の共催により開催されました。

中欧のチェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキアの4カ国は、各国間の友好と協力を進めることを目的とした協力の枠組みとして「ヴィシェグラード・グループ」を形成しており、グループの総称として「ヴィシェグラード4カ国（V4）」とも呼ばれています。日本でも「V4＋日本」として、V4との対話・協力を推進しており、外務省が経済、環境、開発協力・エネルギー効率等のトピックスに関する各種セミナーを行ってきました。
    また、本学は、中期目標でグローバル人材の育成に向けた国際交流活動強化を掲げて世界の様々な大学と積極的に国際交流を深めるなか、特に中欧地域との教育交流を強化しています。
    現在ポーランドがV4議長国を務める今回、V4諸国の関心も高い「東方パートナーシップ」（Eastern　Partnership：EUが、欧州近接国施策として東方6カ国〈グルジア，ウクライナ，アゼルバイジャン，モルドバ，アルメニア，ベラルーシ〉に対する地域的協力関係を強化する枠組み）をテーマとして、更に幅広い層への日本におけるパートナーシップ対象地域の認知・理解促進を目的に、中欧地域の大学と交流関係の深い本学キャンパスにおいて開催することとなったものです。

セミナーには、日本政府をはじめ、V4および東方パートナーシップ対象国の大使や22カ国の大使館の外交団、本学関係者、学生、有識者、本学のグローバル教育を支援していただいている企業の方々ら約150名が参加しました。
    セミナーのオープニングスピーチとして、水田宗子理事長は「今回の東方パートナーシップ・セミナーを本学で開くことができて誠に光栄です。本学はグローバルに活躍できる人材育成を目指しており、次世代を担う本学の学生や留学生たちにとっても、今回のセミナーは大変有意義な機会となると確信しています。」と挨拶しました。
    その後、城内実 外務大臣政務官、ポーランド外務次官のグラズィナ・ベルナトヴィチ博士（Dr.Grażyna Bernatowicz）、駐日欧州連合代表部代表・大使のハンス・ディートマール・シュヴァイスグート氏（Mr.Hans-Dietmar Schweisgut）がそれぞれキーノートスピーチを行いました。
    セミナーは、昼食を挟んでテーマ別に以下の4つのセッションが実施され、各セッションでは日本とパートナーシップ対象地域における各分野の専門家がパネリストとしてプレゼンテーションを行った後、活発な議論が展開されました。

セッション１ ： Democracy, Good Governance, Stability　（民主主義、良好なガバナンス、安定性）
セッション２ ： Economic integration and cooperation　（経済統合と経済協力）
セッション３ ： Energy security　（エネルギー保障）
セッション４ ： Direction of Eastern Partnership and Japanese Diplomacy　（東方パートナーシップの方向性と日本の外交）

また、本学から松野研一教授が各セッションのコメンテイターを務め、議論を大いに深めました。セミナーの最後に、城西国際大学の柳澤伯夫学長がクロージングスピーチを行いました。
    なお、セミナー終了後のレセプションには各セッションのパネリストや聴講者達が集い、日本とV4・パートナーシップ対象地域の今後の協力・発展に関する意見交換等が活発に行われました。

今回のセミナーを通じて、V4およびパートナーシップ対象地域の各分野における対話・協力体制整備に向けた課題や今後の方向性が共有されるともに、聴講した本学学生らにとっても、各国の代表者の生の声を聞き、外交の現場を実体験することによって地域の情勢をより深く理解し、これまで以上にグローバルな視野を持つための大変貴重な機会となりました。

なお、ハンガリーのエドヴェシュ・ロラーンド大学から城西大学、城西国際大学大学院に留学し、卒業後駐日ハンガリー大使館に外交官として勤務しているアンナ・バーリンさんも、本セミナーに外交団の一人として参加するなど、本学の目指すグローバル人材育成は着実に成果を生んでいます。
    また、本学では2008年以降、城西大学・城西国際大学両学でのべ2,000名の学生がハンガリー語を学んできましたが、この4月からは、加えてポーランド語・チェコ語の授業もスタートする予定で、今後一層のグローバル教育の充実を図ります。