学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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学校法人城西大学一行は、スウェーデンを訪問しました

今回、水田宗子理事長を団長とする学校法人城西大学一行6名は、2014年10月5日から11日の日程で、スウェーデンを訪問しました。
  主な訪問先は、駐スウェーデン日本大使公邸、民俗博物館、瑞暉亭、カロリンスカ研究所と同病院、ストックホルム近代博物館、東アジア博物館、ストックホルム商科大学欧州日本研究所、ウプサラ大学です。
  前駐日大使であるラーシュ・ヴァリエ氏に各所のご紹介ならびに同道をいただき、森元誠二スウェーデン大使をはじめ、瑞日協会会長カイ・フォークマン氏、ストックホルム商科大学欧州日本研究所所長マリー・ソーデルベリ教授、ウプサラ大学エヴァ・オーケソン学長等と面会し、スウェーデンと本学の学術交流について大きな成果を挙げることができました。
  また、本訪問団が大使公邸をお訪ねしているときにちょうどノーベル物理学賞の発表がなされ、大使、瑞日協会理事のみなさんとともに日本人の受賞を喜ぶことができました。
  今後は、各大学、研究所との交流の進展をはかるとともに来たる2018年の瑞日交流150周年記念に向けて、実りある活動を行っていきたいと考えています。

【訪問詳細】
10/7日(火)午後12時~在スウェーデン日本国大使公邸訪問について

10月7日(火曜日)午後12時に在スウェーデン日本大使公邸を訪問しました。同日にはノーベル物理学賞の発表がおこなわれ、森元誠二在スウェーデン特命全権大使より日本人の受賞について速報をお知らせいただく栄誉に授かりました。日本スウェーデン協会会長を務める水田理事長と森元大使がノーベル賞発表の日に大使公邸でお会いする記念すべき瞬間ともなり、今後の両国の更なる国際交流に弾みをつける記念すべき日となりました。これまでも日本スウェーデン協会では、ノーベル賞を受賞された日本人には名誉会員になっていただき、日本とスウェーデンの学術交流、文化交流においてもご尽力をいただいていることからも、両国の更なる交流活動が期待できる日となりました。
  森元大使主催による昼食レセプションが催され、水田理事長のスウェーデン訪問にあわせて元駐日スウェーデン大使のラーシュ・ヴァリエ氏、元参事官のカイ・レイニウス氏をはじめとする在スウェーデンの瑞日友好協会の理事の皆様方がご参集くださいました。2018年に瑞日交流150年を迎える両国にとって、今後の文化、若い世代での文化、学術交流などを中心とした交流促進についての意見交換が昼食会を通して活発におこなわれ、今後の関係をますます深化させるべく努力していくことを約束しました。

森元大使と発表されたばかりのノーベル物理学賞受賞のプレスリリースを手に

森元大使と発表されたばかりのノーベル物理学賞受賞の
プレスリリースを手に

大使公邸にて瑞日友好協会の方々と

大使公邸にて瑞日友好協会の方々と

10/7日(火)午後3時から 民俗博物館内「瑞暉亭」を訪問

瑞暉亭とは、1935年日瑞協会会長であった藤原銀次郎氏により、スウェーデン国立民俗博物館に寄贈されたお茶室が、1969年に焼失、その後、1989年に日本の製紙業4社の寄付により再建され、再度民俗博物館に寄贈されたものです。今回、水田理事長が日本スウェーデン協会会長になられたことをうけ、今後の2018年日瑞交流150周年の記念の年に向けて、メンテナンスや利用方法などを考えるために視察されました。
  当日は、民俗博物館のLotten Gustafsson Renius館長もおいでいただき、日本エリアの展示も案内いただきました。その後、前日本人会会長の小牧游氏、日本人会会長金子ようこ氏の案内により、スウェーデン裏千家のみなさんのお点前を瑞暉亭にていただきました。紅葉の美しく舞いしきる中でのお茶会は、心に残るものでした。貴重なお茶室ですので、日本文化を知らせる有効利用を考えてまいりたいと思います。

民俗博物館内JAPANエリアを案内いただく

民俗博物館内JAPANエリアを案内いただく

瑞暉亭にて

瑞暉亭にて

10/8(水)10時:独立行政法人日本学術振興会(JSPS)ストックホルム研究連絡センター訪問

杉林堅次、佐野智子がセンター長の阿久津秀雄先生(大阪大学名誉教授)に面会しました。
  本施設は、北欧5か国およびバルト3国と日本との学術交流支援機関です。当日はノーベル化学賞発表日にあたったため他の職員は不在でしたが、阿久津所長自らからJSPSストックホルム研究連絡センターの業務について丁寧に説明いただきました。
  日本との研究交流だけでなく、学生交流の推進も手掛けていますが、JSPSストックホルム研究連絡センターではノルウェーへの足掛かりがまだできていないとのことでした。JIUにオスロ大学から毎年20名が来ていることから、JSPSストックホルム研究連絡センターと連携できる可能性が考えられます。

JSPS 阿久津秀雄センター長と

JSPS 阿久津秀雄センター長と

10/8(水)12時:カロリンスカ研究所および附属病院を訪問

名称は研究所(Institute)ですが、実際は医科大学で、ノーベル生理学・医学賞の選考委員会の設置場所でもあります。世界最大、ヨーロッパを代表する研究機関にふさわしいレンガ造りの美しいキャンパスで、入口には、ノーベル記念館があり、関係の講演会が数多く開催されているとのことでした。現在、スウェーデンを牽引する医大となっています。
  カロリンスカ研究所附属病院も見学させていただきました。玄関を入ると、総合受付があり、その後ろには、明るいレストラン(カフェテリア)が設置されていました。ちょうどお昼時に伺ったためか、多くの方が食事をとられていました。病院内のコンビニも明るく、日本の病院一階とは大きく異なっていたのが印象的でした。
  門前薬局も訪問。処方箋の受付部分と調剤所だけでなく、一般用医薬品(OTC)コーナーと化粧品などが置かれたドラッグストア部分がありました。日本の調剤薬局は、OTCなどはほとんどおかれていません(本来、薬局は医療用医薬品の調剤ができ、一般用医薬品と健康維持関連雑貨があることが望ましい)ので、学ぶことが多くありました。

カロリンスカ大学内にあるノーベル所縁の建物

カロリンスカ大学内にあるノーベル所縁の建物

カロリンスカ病院入口

カロリンスカ病院入口

カロリンスカ病院一階

カロリンスカ病院一階

10/8(水)14時:ストックホルム大学日本語学科見学
訪問者:杉林堅次、佐野智子

ストックホルム大学は、近代的な大きな建物が並ぶメインキャンパスとレンガ造りの建物が点在するキャンパスの2つからなっています。日本語学科は後者にあり、約150名の学生が日本語を学んでいました。今年6月に杉林が訪問したワルシャワ大学日本語学科と同様の規模と思われます。

10/8(水)12時:東アジア博物館にて Kai Falkman 氏(瑞日協会会長)と面会

湖を一望できる美しい東アジア博物館のレストランにて、元駐日公使で、スウェーデン俳句協会会長でもある瑞日協会会長のFalkman氏をお目にかかりました。世界のあらゆる文学、そして日本文学、歴史に大変造詣が深く、興味深いお話しを多く聞かせていただきました。その後、東アジア博物館内の中国、韓国、日本の展示エリアを案内いただき、続いて、現代美術が展示された近代博物館も案内いただきました。

東アジア博物館

東アジア博物館

現代絵画を見学するフォークマン瑞日協会会長と理事長

現代絵画を見学するフォークマン瑞日協会会長と理事長

10/8(水)午後5時:ストックホルム商科大学訪問

ストックホルム市内にあるストックホルム商科大学にてマリー・ソーデルベリ教授を訪問しました。ソーデルベリ教授は、欧州日本研究所の所長も兼ねておられます。今回の訪問では、欧州日本研究所のオフィスを訪問させていただきました。ストックホルム商科大学は、1909年に創立された歴史ある単科大学で、国際経済分野で有名なヘクシャー・オリーンモデルの両氏が教鞭をとった大学としても知られています。またノーベル経済学賞にも大きな影響を与える研究機関としても世界的に知られています。
  ソーデルベリ教授との面会においては、EUにおける欧州日本研究所の役割や近年の日本経済社会について等、広範にわたって意見交換がおこなわれました。水田理事長からは、日本社会における女性の社会進出の課題や家族内における女性の役割などについて紹介され、ソーデルベリ教授からは、社会的には女性の社会進出が進んだスウェーデンにおいても、いまだ企業内では女性の企業役員への登用が少ない事例などが紹介されました。
  今後、学校法人城西大学とストックホルム商科大学の交流を進めるべく、大学間交流について意見交換をおこない継続的に話し合いを重ねていくこととなりました。城西大学と城西国際大学には経済・経営領域の学部が3学部もあり、多くの学生と教員を有していることから、今後のストックホルム商科大学との学術交流を具体的に話し合い推進していくことを確認して訪問を終えました。

ストックホルム商科大学欧州日本研究所にてミーティング

ストックホルム商科大学欧州日本研究所にてミーティング

欧州日本研究所のあるキャンパス内にて

欧州日本研究所のあるキャンパス内にて

ウプサラ大学学長面会
10/9(木)9:30:ウプサラ大学訪問

ストックホルムの北70㎞にあるスウェーデン第四の都市ウプサラ(人口20万強)に向かい、ウプサラ大学を訪問しました。同大学は1477年創設で、神、法、医、薬、科、言、教、社、芸の9学部、学生数40,000を超える北欧最古の大学です。
  Eva Åkesson(エヴァ・オーケソン)学長に“リンネの間”で面会し、本学を紹介、両大学間の交流の可能性について懇談しました。女性のトップ同士でもあり、女性学の分野や社会における女性の活躍について、日本での近年の進展に強い関心を示され、医療・福祉分野や語学・芸術分野等での教員・学生の交流など、担当者を交えたランチミーティングでの懇談に引き継がれました。

ウプサラ大学学長とリンネの部屋で ヴァリエ前スウェーデン大使とともに

ウプサラ大学学長とリンネの部屋で
ヴァリエ前スウェーデン大使とともに

ウプサラ大学学長とリンネの部屋で記念撮影

ウプサラ大学学長とリンネの部屋で記念撮影

ウプサラ大学図書館見学

北欧最古の大学には、12の図書館がありますが、今回は、メインのもっとも古い図書館エリアを案内いただきました。建物の1階の一部に博物館が設置され、銀製の聖書、モーツアルト魔笛の楽譜など貴重なものが展示されていました。その他の部分は、モダンな学生閲覧室となっており、多くの学生が出入りしています。
  6階部分に上がると1477年の大学創成期から集められた美しいマウント付のマニュスクリプトで書架は埋め尽くされていました。リンネの大学として有名なため、生物・草花の古い資料も世界中から多く集められています。今回は、水田理事長が、チカダ賞受賞者であることを寿ぎ、特別にハリー・マーティンソンの絵、手紙、手帳などを見せてくださいました。ノーベル文学賞を受賞した作品のキーとなるイメージが浮かんだ部分の手帳もあり、大いに感激しました。

ウプサラ大学貴重本ライブラリにて ハリー・マーティンソンの手稿を手に

ウプサラ大学貴重本ライブラリにて ハリー・マーティンソンの手稿を手に

ウプサラ大学ランチミーティング
10/9(木)レストラン OX

ウプサラ大学メンバー5名: Ann Öhrberg教授(文学部長)、Anna Williams教授(文学部教授)、
Erika Dabhilkar氏(国際交流課課長)、Thomas Fredengren氏、同席者:ラーシュ・ヴァリエ(Lars Vargö)前駐日スウェーデン大使


文学部長、文学部教授、そして国際交流課課長の同席のもと、両大学の具体的な交流について、ランチミーティングがなされました。
  まず、当方よりマイ・ゼッタリングプロジェクトやラウル・ワレンベリ記念の植樹式、ヴァリエ前大使のご講演、チカダ賞国際シンポジウムなどこれまでの本学とスウェーデンのかかわりなどを紹介し、相互理解を深めました。
  先方からは、日本のポップカルチャーの影響により、スウェーデンでは日本語を学びたい学生は多いというお話を伺い、本学における優れた日本語教育と交換留学について説明しました。同時に、本学にはメディア学部や国際人文学部があり,日本文化について学ぶことができるということや英語だけで単位修得が可能なGlobal College についても紹介をしました。
  ウプサラ大学からは学生のインターンシップの可能性についても問いがあり、これまでオスロ大学において日本語教授法のインターンシップを実施していることなども伝え、おおいに興味を示しておられました。
  また、水田理事長より学生交流、スウェーデン語のクラス、教員の派遣についての提案もなされ、今後の交流が楽しみです。

ウプサラ大学とのランチミーティングにて

ウプサラ大学とのランチミーティングにて

10/9(木)15:30:ウプサラ大学附属病院を訪問

病院に入ると、カロリンスカ病院同様、明るい雰囲気のオープンカフェとコンビニがあり、多くの人びとが利用していました。
  病棟について、Mikael Köhler循環器科部長に案内いただきました。救急病棟、リウマチ病棟、腎臓内科病棟を見学。特に、救急病棟では、廊下と病室の間がカーテンだけになっており、医療職が患者を診やすくする配置がされたいたことが印象的でした。
  このあと、セミナー室で全体説明を受け、建物ごとに診療科が違うこと、こちらの病院は、形成外科治療が特に優れていることなどが説明されました。終了後、保険制度の違いなどに関連して日本とスウェーデンの医療費、医療システムなどの違いについて質疑が交わされました。

ウプサラ大学附属病院にて

ウプサラ大学附属病院にて

視 察

公的行事の合間を縫って、ノーベル賞受賞者の晩餐会場ともなる市庁舎、王宮や国会議事堂が聳える旧市街(ガムラ・スタン)、ノーベル賞授賞式が行われるコンサート・ホールやその近辺の市街地、野外博物館スカンセン、ヴァーサ号博物館、東洋美術館、現代美術館、公立と私立の図書館、高級住宅街のエステルマルム地区、さらには急増する東欧その他からの移住者が暮らす郊外の都市や、北欧のシリコンバレーと言われる新都市Systa、ドロットニングホルム宮殿などを訪問しました。北欧のベニスと言われる湖や海に囲まれた大都会で、時折の日差しにも恵まれ、あたたかな歓迎とともに美しい黄葉の街を心に刻みました。
  ウプサラ訪問の帰途には、ヴァリエ前大使夫妻が帰国後住まわれている郊外の以前小学校として使われていた風情ある一軒家をもご案内頂きスウェーデンの長い歴史と大きな自然を学ぶことが出来ました。


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