学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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学校法人城西大学 50周年記念・
柄谷行人氏による講演会「山人と山姥」を開催しました

2014年12月10日、学校法人城西大学(水田宗子理事長)東京紀尾井町キャンパスのホールで、哲学者・評論家の柄谷行人氏による講演会「山人(やまびと)と山姥(やまんば)」が開かれました。来年の創立50周年を記念したもので、多文化共生センターが主催し城西国際大学のジェンダー・女性学研究所が共催しました。

柄谷氏は文芸批評から出発しながらも、マルクスやカントなどを論じ、その枠に収まらない根源的思考を展開されてきました。今年1月、「山人」を捨て「常民」に向かったとされる柳田国男を考察した『遊動論 柳田国男と山人』(文春新書)を上梓されました。柄谷氏が講演されるのはまれですが、かねてから表現やジェンダーなどをテーマにした対談などで親交のある水田理事長が柄谷氏に依頼して講演会が実現しました。

柄谷氏は世阿弥の『山姥』や馬場あき子氏の『鬼の研究』(ちくま文庫)などを引きながら、「山人は山地民や平地民とは違い、定住に関心がない。柳田によると、いわば天狗のような表徴としての存在。また、山姥も野の女や里の女と異なり、やはり山人であるということを水田さんの論文から学んだ」「山姥は性差への反発もない、ジェンダーを超えた存在」などと話されました。ホールは教職員や学生、一般の方々らでほぼ満席となり、柄谷氏の興味深い論考に熱心に耳を傾けていました。

講演会後は柄谷氏を囲んでレセプションが開かれ、和やかなひとときを過ごしました。柄谷氏と親しい、詩人で城西国際大学客員教授の吉増剛造氏は乾杯の挨拶で「今日の講演は革命的に面白く、果てしなく聴いていたい内容だった。城西大学でこんな素晴らしい人のこんな良い話が聴けることは嬉しいことです」と述べました。
  なお、柄谷氏と水田理事長らによる共同討議「日本文化とジェンダー〈家父長制とその批判〉から始めて」は『家父長制とジェンダー』(水田宗子編・学校法人城西大学出版会、2014年2月刊)に収録されています。

講演する柄谷氏

講演する柄谷氏

創立50周年を記念した講演会

創立50周年を記念した講演会


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