学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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学校法人城西大学創立50周年記念 水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズ・「ノーベル物理学賞 小林誠先生 講演会」を開催しました

講演前の小林先生――水田三喜男先生の写真の前で

講演前の小林先生
――
水田三喜男先生の写真
の前で

2015年7月9日、学校法人城西大学(水田宗子理事長)はノーベル物理学賞受賞者の小林誠・日本学術振興会学術システム研究センター所長を招いた講演会「反物質―素粒子から宇宙まで―」を、埼玉県坂戸市の坂戸キャンパスで開催しました。

本学は50周年記念事業の一環として、内外から世界的に影響力のある方、優れた研究業績を残された方などを招いてグローバル人材の育成に資することを目的とする水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズを展開しています。小林氏は、5月21日の元マレーシア首相のマハティール・ビン・モハンマド(Mahathir bin Mohamad)氏、6月13日の米ハーバード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)氏に次いで3人目の登壇となりました。

小林氏は1944年、愛知県生まれ。素粒子理論を専門とする理論物理学者で、高エネルギー物理学研究所(現・高エネルギー加速器研究機構)教授や・高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所所長などを歴任。素粒子の世界に存在する「破れ」と呼ばれる非対称性の理論化に取り組んだ功績で、2008年、益川敏英・名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長や南部陽一郎・米国シカゴ大学名誉教授とともにノーベル物理学賞を受賞されました。

挨拶する水田理事長

挨拶する水田理事長

清光ホールで開かれた講演会に先立ち、水田理事長は「日本だけでなく、大きな業績が世界に認められた小林先生をお迎えするのは、誠に光栄なこと。今日のご講演は、私どもにとって非常に大切なものであり、未来に向けて素晴らしい示唆をいただける」と挨拶しました。
  小林氏は「(反物質は)なかなか実用に結びつかないものではあるが、我々の存在そのものに関わる概念でもある」と前置きしたうえで、粒子から出来る物質の構造の説明を手始めに粒子に対する反粒子の概念とその発見の歴史に触れ、ノーベル賞の対象となった「CP対称性の破れ」を説明する理論を解説されました。また宇宙の始まりのビッグバンにも言及。高温、高密度の宇宙の始まりでは粒子と反粒子が共存しているが、冷えるにしたがって反粒子がなくなって粒子だけの宇宙になるとして、「我々のモデルでは(宇宙の進化は)説明できない。未知の破れのメカニズムが存在するのではないか」と今後の研究の方向性を示されました。

「物質の構造」について説明する小林先生

「物質の構造」について説明する小林先生

講演に引き続き、元文部科学省事務次官で本学大学院センター長の小野元之理事とのミニ対談も行われ、小林氏はノーベル賞授賞式でのエピソードも披露。日本の基礎研究の将来について「若い人の人口が減ってきている。その分、頑張らないと高い日本の研究水準は維持できないのではないか。目の前の自分のやっていることを信じてやってほしい」と結ばれました。

対談する小林先生(左)と小野理事

対談する小林先生(左)と小野理事

質疑応答では、学生や院生の質問に小林氏は丁寧にお答えになり、藤縄善朗・鶴ヶ島市長はじめ、企業や地域の方々、県内高校の教員の方々、本学の教職員や学生ら約600人が興味深いお話に聴き入りました。

経営学部棟メディアエリアに会場を移したレセプションでは、小林氏を囲んで歓談のひと時を過ごしました。小林氏は、学生たちが求めた記念撮影に笑顔で次々に応じていらっしゃいました。

学生と記念撮影

学生と記念撮影


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