学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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学校法人城西大学創立50周年記念 水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズ・前文化庁長官 青柳正規氏を招いた講演会を坂戸キャンパスにて開催しました

2016年6月15日、学校法人城西大学(水田宗子理事長)は、前文化庁長官の青柳正規氏を招いた講演会「自然・人間そして科学技術」を城西大学坂戸キャンパス(埼玉県坂戸市)の清光ホールで開きました。青柳氏には、本学が今春開設した高等人文学研究所の特任所長に就任いただきました。長い学究生活に裏打ちされた豊富で幅広いデータを駆使し、日本人のみならず人類の将来に示唆を与えるスケールの大きな講演に、100人を超える地域の方々や教職員、学生ら約500人が熱心に耳を傾けました。

本学は50周年記念事業の一環として、内外から世界的に影響力のある方、優れた研究業績を残された方などを招いてグローバル人材の育成に資することを目的とする水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズを展開しています。これまで、昨年5月21日の元マレーシア首相のマハティール・ビン・モハンマド(Mahathir bin Mohamad)氏を皮切りに、6月13日の米ハーバード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)氏▽7月9日のノーベル物理学賞受賞者の小林誠氏▽7月10日のスタジオジブリ代表取締役プロデューサー、鈴木敏夫氏▽10月1日の日本経済団体連合会名誉会長の米倉昌弘氏▽11月21日の国際浮世絵学会会長の小林忠氏▽12月4日の米国・南カリフォルニア大学映画テレビ学部長のエリザベス・M・デイリー(Elizabeth M. Daley)氏―の講演会を開催しました。青柳氏は8人目の登壇となりました。

青柳氏はギリシャ・ローマ考古学の第一人者。1944年、中国大連市生まれ。東京大学文学部長、同副学長を経て国立西洋美術館館長、文化庁長官を歴任されました。現在、東京大学名誉教授、日本学士院会員。2006年紫綬褒章。2011年NHK放送文化賞受賞。「エウローパの舟の家」「古代都市ローマ」など著書多数があります。

講演に先立ち、水田理事長は挨拶で「本学は昨年創立50周年を迎えましたが、新たな5ヵ年計画の大きな柱として、自然科学と人文科学の垣根を越え、新たな先端的な研究と教育分野とその課題を探求する高等人文学研究所の設置をいたしました。このたび特任所長を青柳先生にお受けいただき、ありがたく思っております。本日は、科学技術や人間性など幅広いお話をおうかがいすることで、日本と世界のことを考える良い機会にしたいと思います」と述べました。

挨拶する水田理事長

挨拶する水田理事長

青柳氏は講演で「私たちは科学技術の恩恵を受けているが、その一方で危うさもあることを皆で認識することが大切だ」と切り出しました。大航海時代にさらに進展した「世界の一体化」は、近年のグローバル化時代を経て、人口問題や環境問題、貧困問題、疾病問題、難民問題などの難問に直面する新たな世界の一体化の段階に入ったと述べました。青柳氏は「特に深刻なのが地球温暖化などの環境問題」として、他種の動物を捕食する動物を意味する「捕食者」は、「人間にとっては環境」と指摘。「人口数にまで影響を及ぼすほど環境悪化が進んだら、自然循環はしないでおそらく人類は滅んでいく」と述べました。
  さらに青柳氏は「歴史や文明の盛衰を見ると、発明、発見、工夫が人類を将来、もしかすると滅ぼす原因になるのではないか」とも述べ、「先端科学全体を見渡すことができず、神頼みのような怖い状態になっている今、科学技術の恩恵をただ享受するのではなく、どのような研究がなされ、その貢献と弊害を我々一人ひとりが考えていかなければならない」と結びました。
  質疑応答で、青柳氏が質問に答えて「一人ひとりの生活をどう抑制的なものにしていくかということが環境問題では一番重要」と語ると、会場から大きな拍手がわき起こりました。

講演する青柳氏

講演する青柳氏

学生の質問にも丁寧に答えていただきました

学生の質問にも丁寧に
答えていただきました

学生から花束を受けた青柳氏

学生から花束を受けた青柳氏

レセプションでは学生に囲まれて記念撮影

レセプションでは学生に囲まれて記念撮影


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