学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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学校法人城西大学創立50周年記念 特別講演・マギル大学教授 トマス・ラマール氏を招いた講演会を開催しました

2016年7月12日、学校法人城西大学(水田宗子理事長)は、カナダ・マギル大学教授で日本文学・アニメ研究者のトマス・ラマール(Thomas Lamarre)氏を招いた講演会「地域的テレビにおけるアニメ」を東京紀尾井町キャンパス1号棟ホールで開催しました。
  学校法人創立50周年を記念した特別講演で、研究者や城西国際大学メディア学部の学生や教職員ら約150人が、ホールでアニメ研究を牽引するもっとも先鋭的な研究者による講演に聴き入りました。
  ラマール氏は、シカゴ大学東アジア言語文明学部で博士号を取得、現在マギル大学教授。源氏物語研究から人文学の研究者としてのキャリアをはじめ、谷崎潤一郎研究、映画研究など、多岐にわたる分野で大きな学問的貢献を果たしてきました。

とりわけ、日本アニメの歴史を、技術・社会・作品の詳細な分析から紐解いた『アニメ・マシーン』(2009年)は、ヨーロッパ日本研究学会(EAJS)と映画メディア学会(SCMS)で出版賞を受賞するなど、高い評価を受けてきました。

城西国際大学・リピット水田堯客員教授は講演を前に「グローバル化こそが現在の大学が推進しなければならない責務であり、城西国際大学はメディア学部を中心として、大学間、研究者間、学生間でグローバルな交流が可能となる場を提供しようと努力を重ねており、その中心課題のひとつが、本日の公演もその一環であるe-learningプログラムであります。世界的に重要な研究を発表し続けているラマール教授をお招きし、講演会を開催できますことを大変うれしく思っております」と歓迎のスピーチをしました。

ラマール氏は、アニメ作品の分析を行うばかりでなく、アニメ作品が生産、流通、消費される様態を十分に考慮に入れることが重要であると主張し、『キャプテン翼』と『花より男子』を題材として、これらのアニメ・コンテンツがどのようにグローバル社会の中で流通しているのかについて考察しました。ラマール氏はとりわけ、『キャプテン翼』に関しては、1980年代から2000年代にいたる歴史的厚みのなかで、日本、中東、ヨーロッパでどのように見られてきたか、その受容は国際情勢とどのように関係してきたかに注目し、『花より男子』に関しては、マンガ、アニメ、テレビドラマ、映画などのメディア間で流通してきたかに焦点を当てました。
  また、ラマール氏は、学生から寄せられたメディア間の流通に関する質問に答えて、「商業的目的だけのために同じ作品を再利用するメディア・ミックスには否定的だが、メディア間の流通は、常に何か新しいものを作り出しており、商業主義には還元されない可能性がある」と述べました。

挨拶する水田リピット教授

挨拶する水田リピット教授

講演するラマール氏

講演するラマール氏

熱心に聞き入る聴講者

熱心に聞き入る聴講者

学生から花束の贈呈

学生から花束の贈呈


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