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茶道の歴史は、国家の歴史、政治の移り変わりと切ってもきれない関係があります。その成り立ちのころ、茶道は極めて政治的なものでありました。豊臣秀吉などは、茶道を通して島津家や伊達家と和平をねらって、天皇家とつながりを画策していますし、また、この時代、茶室は象徴的な意味合いを持つものとして利用されていました。当時、ともに茶室に入ることは、ことさら言葉にせずとも、“和睦”や“同盟”関係に合意したことを表わしたのです。
その後、戦国時代、徳川時代それぞれの国家体制の移り変わりによって、茶道がどう変わらざるを得なかったのかなど、今回は、茶道を国家の視点で取り上げ、お話したいと思います。 |

≪三十六歌仙絵「在原業平」≫
プルチョウコレクションより |