「愛のコリーダ」(1976) 監督・脚本=大島渚
製作=アナトール・ドーマン、若松孝二 撮影=伊東英男
出演=藤竜也、松田暎子、中島葵、芹明香
司会=掛尾良夫
(キネマ旬報映画総合研究所)
“ 阿部定(アベサダ)”事件として知られる、昭和11年5月に起きた実在する猟奇的事件を、ハードコア・ポルノとして映画化することが、1972年、フランスのプロデューサーから大島渚監督に提案された。当時、映画界では世界的に性表現の解放が進む時期で、大島渚監督は、新しいチャレンジとしてこの企画を受け入れた。しかし、日本では前例のない撮影だけに困難は多く、そこで大島監督は、ピンク映画界の巨匠、若松孝二氏にプロデュースを依頼した。キャスティングの困難、ハードなセックス・シーンの撮影など異例づくめの製作だった。そして、カンヌ国際映画祭での反響、日本における上映での問題など、この作品の背後にあった出来事について、改めて当事者、若松孝二氏から話を聞く。
|