健康情報が氾濫し、また医療が高度化するなかで、適切な健康情報に行き着き、適切な保健行動を取ることは難しい。国民一人一人が健康生活の主人公であるために、もっとも基本的な健康情報は、自分の体がどうなっているかの理解であろう。子ども達は、健康に日々を過ごしている限りは、切迫した健康ニーズを持たないが、将来の健康への備えは始まっている。子ども達には、からだに関する知識を持ち、自分の健康を考え、適切な保健行動や受診行動をとることができる大人になってもらいたい。そこで、就学前の子ども(幼稚園ならびに保育園の年長児)に、からだについて教える教材を作成し、おはなし会をおこなってきた。この活動の研究成果を踏まえて、子どもにからだのことを教える可能性と重要性を共に考えてみたい。あわせて、受講生が自分自身の体に関して理解を深め、健康生活をつくっていく一助になることをめざしたい。
|