日本古来の身体技法が見直されている。その要は「腰肚」や「臍下丹田」に収斂されたのち、形を練り、整え崩し、「たたずまい」としてあらわれる。都市にあっても自然に適い、からだがおのずから発する美しさとは何か。日本古来の風土に根ざした「衣」「食」「住」の形を読み解いていくことで、欧米文化とはまったく異なる「自然」や「人間」とのかかわり方のあることが見えてくる。
“日本人の身体の美意識”を仏像に探り、プロポーションの起源を探り、キモノ、坐法、仏像、能などの伝統文化を渉猟しながら、連綿と受け継がれてきた日本の身体技法を極め、しぐさの様式として、私たちの身に沁み込んだ立居振舞いの美学を再発見する。 |