紺碧の海に降り注ぐまぶしい陽光。どこまでも青く澄み渡った空。赤・黄・紫…と鮮やかな色彩に包まれる大地。まるで神様がこの地を選び、作り上げたかのような見事なコントラストがそこには広がっています。訪れる人々に生きる活力を与える南仏は、多くの画家たちをもいざなってきました。見るもの、感じるものすべてが作品への意欲をかきたて、彼らを奮い立たせてきたことでしょう。すばらしい題材と出会い、そこで誕生した不朽の名作は数知れません。街の至るところに美術館が混在するフランスでは、芸術を鑑賞することが生活の一部となっています。今回はエスプリの薫り漂う南仏コートダジュールの小さな美術館をいくつか取り上げ、美術館の見どころ、そこにまつわる画家や、彼らの作品などをご紹介します。美しさのほかに大切な“何か”を語りかける南仏で、画家たちの熱い息使いに一緒に耳を傾けましょう。 |