日々の生活において自分の身の回りのことをするのに援助が必要な状態、あるいは、支援がなければ1人での生活に支障が生じる状態を要介護・要支援状態といいます。このとき問われるのは、日常生活機能の自立の度合いです。病気や障害、あるいは加齢変化に伴う健康障害により日常生活の自立が損なわれることも確かですが、心身がどの程度に健康か、あるいはどのように不健康な状況なのかということと、要介護状態とは必ずしもイコールではありません。ただし、共に日常生活の質(QOL)に大きく関わります。
私たちは健康維持のために自助努力をし、さまざまな保健医療サービスを利用します。同様に生活機能に関しても、その自立維持のための自助・共助・公助のしくみを知り上手に利用できれば、健康状態を更に良好に保てるはずです。しかし、どんなに健康に留意しても、他者からの介護や支援を必要とするときがくるやもしれません。そこで、どのような時も、QOLを考えたサービスが受けられるように、看護や介護の役割を紹介するとともに、介護保険の賢い利用法について情報提供しようと思います。加えて、QOL重視の立場から、医療技術の進歩した長寿社会ゆえの終末期の重要な決断についてもふれてみたいと思います。
|