「いにしえをかんがえるがくもん」と書いて「考古学」ですが、現代の考古学の定義は時代・対象のくくりを超え、初期人類から現代史まで、人類史の全領域に及びつつあります。
「歴史考古学」は60年代に提唱され、中世以降の歴史時代を解明するために工夫された新しい学問領域です。歴史時代の解明には文書、民俗誌など多くの歴史資料が存在しますが、歴史考古学は発掘調査に始まる考古学の方法論を中心に、他の学問領域と連携して進める学際性に大きな特徴があります。
本講座では、まず考古学全般および歴史考古学の概要、さらに現状と課題についてお話します。その上で具体的な研究例として、講師が専門とする近世琉球史から「墓と喫煙」をテーマに講義します。葬送儀礼も喫煙も、現代社会では原形を失いつつある文化習俗ですが、発掘調査、民俗調査、文献史料調査が総合されることで何が浮かび上がって来るのか、歴史考古学の観点から迫ってみたいと思います。
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