米国でトランプ大統領が就任してから1年半。オバマ前大統領が低所得者層を助ける医療保険制度改革の実現に尽力したのに対して、改革の見直しを図るトランプ政権の動きは「貧しい人たちを切り捨てるのか」と議論を呼びました。新聞・テレビで医療の問題が大きなテーマとして取り上げられています。米国の医療報道の実情を探るため、今年4月、アリゾナ州フェニックスで開かれた医療ジャーナリストの全米大会に参加しました。米国社会の分断が深まる中、貧困などによって生じる健康格差「健康の社会的決定要因」に注目する記者たちがたくさんいました。大会参加者は725人。日本と比べて医療ジャーナリストの層が厚く、相互交流も活発です。朝日新聞で長年、医療・健康問題を取材し発信してきた医療ジャーナリストが米国の医療報道の最新事情をお話しします。 |