鷹羽狩行氏メッセージと献句


追悼
 水田先生

 水田三喜男先生の三十三回忌にあたり、謹んでご挨拶申し上げます。
 水田先生は長年政治家として活躍され、その業績が高く評価されていることは、申すまでもありません。
 その一方で、俳人としても知られ、日頃俳句に深い理解を示しておられました。特に俳句文学館の建設に当たりましては、用地の決定、建設資金の面で多大なるご尽力を賜りました。
 お陰さまで、俳句文学館は昭和五十一年春に竣工し、これを拠点として社団法人俳人協会は俳句文芸の創造的発展とその普及に寄与し、今日の俳句ブーム、俳句の時代を迎えるに至りました。また、俳句の国際化にともない、俳句文学館は世界の俳句資料センターとしての機能を果たしております。
 かつて先生は奥さまに「全快したら俳句文学館へ行こう」と話され楽しみにされていたとお聞きしております。一度もごらんいただけなかったのが、残念でなりません。

田といふ田畔で結ばれ冬あたたか    狩行