2010年10月25日、金沢市制定の第38回泉鏡花文学賞の受賞作に、本学メディア学部特任教授篠田正浩先生の「河原者ノススメ―死穢（しえ）と修羅の記憶」が決まりました。

作品は、古代から近世日本の芸能と差別の関係を丹念に追い、「河原者」と呼ばれた人々の歴史に焦点を当てたものです。選考後、取材に応じた選考委員の村松氏は「奇麗事の文化論、演劇論に異議を申し立てる構えが作品全体に貫かれている。差別された者の悲しみや価値観を超え、その光と輝きを強い力であぶり出した作品だ」と称賛しました。 選考理由については「著者が映画監督時代に培った感性と知識で日本の芸能史を再構築した新鮮さが選考委員の心をとらえた。満場一致ですっきりと決まった」と述べました。

現在、城西国際大学の制作協力で、この受賞作と同名のドキュメンタリー映画『河原者ノススメ』（映画『河原者ノススメ』製作委員会／監督　成瀬活雄　城西国際大学メディア学部教授）が撮影中であり、完成に向けて制作が順調に進められています。