学校法人 城西大学 Josai University Educational Corporation

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Modern Poetry Event III・
屋根に残った破れ靴 ~日中韓詩人たちの集い~ を開催しました

2015年11月6日、学校法人城西大学(水田宗子理事長)は、東京紀尾井町キャンパス1号棟ホールで、「屋根に残った破れ靴~日中韓詩人たちの集い~」と題した座談会と詩・連詩朗読会「Modern Poetry Event Ⅲ」を思潮社の後援を得て、開催しました。学校法人創立50周年を記念するイベントの一環です。詩人で比較文学者でもある水田理事長をはじめ、中国を代表する現代詩の詩人・評論家の西川(Xi Chuan)氏や国際的に評価の高い韓国の文貞姫(Moon Chung-hee)さん、日本を代表する詩人合わせて10人が参加し、現代詩の表現と可能性、言語と翻訳などを巡って語り合い、作品を朗読しました。

水田理事長は一昨年12月、スウェーデン政府から生命の尊厳を表現する東アジアの詩人に贈られる「チカダ賞」を受賞しました。それを記念して昨年6月、同じくチカダ賞受賞者である文さんらを招いた「チカダ賞受賞記念国際シンポジウム」を開催。同11月には、水田理事長と文さんに伊藤比呂美さんを加えた鼎談「Modern Poetry Event Ⅱ」を開きました。今年5月には、中国・大連で日中詩人朗読会を開催し、詩の世界的な共通性や普遍性に触れるイベントを開催しました。今回は中国、韓国、日本の著名な詩人たちが集い、詩について語るとともに朗読するイベントを企画しました。

参加者はほかに、財部鳥子さん、高橋睦郎氏、吉増剛造氏(城西国際大学客員教授)、杉本真維子さん、文月悠光さん、竹内新氏、田原氏(城西国際大学客員教授)でした。

挨拶する水田理事長

挨拶する水田理事長

第1部の座談会の冒頭、水田理事長は「50周年を記念してこのほど国際現代詩センターを立ち上げました。今回のイベントはセンター開設記念でもあります。詩は大変個人的な表現ですが、個人を超えて多くの人たちと解りあえるジャンルではないかと思います。私たちが共有できるものは何か、新しい詩の表現とは何かについてお話いただけたら嬉しいと思います」と挨拶しました。

「屋根に残った破れ靴」という今回のタイトルは西川氏の作品の一部から取ったもので、中国では亡くなった人の靴を屋根に放り投げるという風習があるとされます。西川氏は座談会で「詩の読者は少なくなっているが、詩人の交流があることは幸せなこと。詩の存在は我々、現代人にとってとても重要なもので、詩人は未知の世界を探求し、発掘していく役割を果たしている」と語りました。中国東北部で育った財部さんは詩集を出した後、中国語を学んだことが縁で、1988年に中国の現代詩の翻訳を出版したエピソードを披露。「翻訳して中国の人たちの心が解った。翻訳の中で若い詩人として一人入っているのが西川さんだった」と明かしました。また、文さんは「全ての人の心の中には詩人が息づいている。(今日は)皆さんの中に閉じ込められている詩人と出会ってほしい」と呼びかけました。

発言する西川氏(左から2人目)

発言する西川氏(左から2人目)

座談会の様子

座談会の様子

朗読する高橋氏

朗読する高橋氏

第2部の朗読会では、10人がそれぞれ自作を複数点朗読。杉本さんと文月さんの若さあふれる朗読、また、高橋睦郎氏の物語のような詩は涙を誘い、吉増剛造氏と急遽参加のマリリアさんの歌とともになされた朗読もその美しさで会場を沸かせました。最後に大連外国語大学の陳岩教授、大連市中日友好学友会の杜鳳剛会長、日本現代詩人会会員の佐川亜紀さんも加わって連詩の朗読も行われ、ホールを埋めた聴衆から大きな拍手を受けました。

朗読する吉増氏(左)とマリリアさん

朗読する吉増氏(左)とマリリアさん

朗読する文貞姫氏

朗読する文貞姫氏


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