中欧研修プログラムを実施して

城西・中欧研究所所長

柴　宜弘

　2019年4月23日～5月8日の大型連休の期間に、従来の本学の研修とは異なる中欧研修をパイロット・プログラムとして実施しました。この研修は、2018年度にチェコのマサリク大学(ブルノ)と本学との間に実施されたエラスムス・プラスのプログラム(相互の教員派遣)を実施した際に、マサリク大学から提案されたことに端を発しています。マサリク大学が夏休み直前に実施している、カナダのトロント大学の学生交流プログラムが効果的に機能しているとのことでした。そこで、本学の研修が行われてこなかったチェコを中心として、協定校のマサリク大学とスロヴァキアのコメニウス大学(ブラティスラヴァ)、それにハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学（ブダペスト）を加えて、研修プログラムを実施してみることになりました。
　中欧研修プログラムのプランを作ったのは、城西大学と城西国際大学の中欧研究の専門家集団からなる中欧研究所のメンバーです。これまで、本学の研修は両大学が個別に組織して行うことが通例でしたが、本研修は両大学の3，4年生を対象としました。1，2年生に実施される語学研修プログラムとは性格を違えています。中欧諸国の言語(チェコ語、ハンガリー語、ポーランド語)の履修者や中欧に関連する授業を受けた学生を対象として、あえて単位化しない研修としてみました。学生の自主性を重視したからです。参加学生は、城西大学現代政策学部1名、経営学部1名、薬学部2名、城西国際大学国際人文学部4名、看護学部2名、大学院国際アドミニストレーション研究科1名、合計11名でした。
　研修の目的として掲げたのは、中欧地域の多様性と国境を実感してみることでした。川や山を越えれば言語の異なる隣国が存在するこの地域を動き回り、国境を身をもって感じとり、それぞれに考えをおよぼしてもらうことに主眼を置きました。今回訪れたブラティスラヴァ近郊の三角地点は、スロヴァキア、オーストリア、ハンガリーの国境地域であり、そこには山も川もない平地に、3国の国境であることを記す杭が打ち付けられているだけでした。眼前に広がるのどかな田園風景から、冷戦時代にはここに鉄条網が張り巡らされていたことなどなかなか想像できませんでしたが、国境の存在を改めて考えてみる契機にはなったと思われます。
　このほか、研修は提携大学である三大学の日本学科の学生の授業参観と授業参加および様々な見学を行いました。主な見学地は以下の通りです。
ブルノの世界遺産トゥーゲントハット邸
モラヴィア地方タトラの自動車博物館
モラヴィア地方の民家園
プラハ一日ツアー
ブルノの市街ツアー
ブダペストのシナゴーグ見学
国際交流基金・日本文化センター(ブダペスト)
大学で受けた講義は以下の通りです。
チェコの戦後政治・経済の変遷(マサリク大学・ジーデック先生)
ハンガリーのユダヤ人講義（デブレツェン大学・プレプク先生）
ユダヤ人としての自ら体験にかかわるブダペストの中心部のフィールド・トリップ（ホルバート先生）
ハンガリーと日本の政治・経済関係（シュディー元大使）
両大学の学部も異なる学生たちには、事前に研修に対する自らの目標を設定し、事後にレポートの提出を課しておきました。参加学生10名の渾身のレポートですので、ご一読くださると幸いです。

参加学生レポート

参加学生アンケート結果報告

2014年04月23日　スロヴェニア共和国前大統領が来学、講演しました
スロヴェニア共和国のダニロ・テュルク前大統領が東京・紀尾井町キャンパスを訪問され、講演および学生たちとの交流が行われました。

2014年04月14日　ポーランド外務副大臣が来学、講演しました
ノヴァック=ファル外務副大臣が東京・紀尾井町キャンパスに来学され、講演を行いました。

2013年11月21日　中欧研究所を設立します
学校法人城西大学は、これまでの中欧地域での教育実績を踏まえ、同地域との更なる共同研究・学術交流・人材育成の推進、学部・大学院教育支援を目的に、この度「中欧研究所（Josai Institute for Central European Studies）」を設置しました。

2013年11月21日　ハンガリーのオルバーン首相が来学されました
ハンガリー首相のオルバーン・ヴィクトル（ORBÁN Viktor）閣下が本学東京紀尾井町キャンパスに来学されるとともに、本学からの名誉博士記授与および特別講演会が行われました。

2013年11月21日　水田理事長がハンガリーから勲章を授与されました
ハンガリー大使館において、水田宗子理事長に、Commander’s Cross of the Order of Merit of Hungary (civil division)　ハンガリー 中十字勲章が、ハンガリー首相オルバーン・ヴィクトル氏より授与されました。

2013年10月25日　安倍総理夫妻主催の「ポーランド・アイルランドの夕べ」において、本学に留学中のポーランドの学生がプレゼンテーションを行いました
安倍内閣総理大臣夫妻の主催による「ポーランド・アイルランドの夕べ」において、本学に留学中のワルシャワ大学、ポーランド日本情報工科大学の学生が招かれて、今後の両国の交流進展に向けたプレゼンテーションを行いました。

2013年9月30日　水田宗子ハンガリー・ポーランド・チェコ奨学生表彰式を開催しました
2009年12月ハンガリーのショーヨム・ラースロー大統領閣下（当時）が、紀尾井町キャンパスを表敬訪問されたことを記念して「水田宗子ハンガリー奨学金」として設立されたもので、ハンガリーと日本の架け橋となる人材育成を目的にしています。4年目を迎えた本奨学金は、新たにポーランドとチェコからの留学生を対象に加え、城西大学・城西国際大学の3ヶ国からの奨学生の表彰式として行われました。

2013年5月25日　第19回チェコ語弁論大会が本学で開催されました
大会にはチェコ語を学ぶ男女10名が出場し、それぞれチェコ語による自己紹介に続き、2つのテーマ「食事と家の習慣」「自分の将来の計画」のうちのいずれかを選び、持ち時間5分でチェコ語のスピーチをしました。出場者の年齢やチェコ語の学習期間、学ぶきっかけや環境などはそれぞれ異なりますが、出場者は多くの聴衆を前に、皆一生懸命に日頃の学習の成果を披露していました。

2013年3月5日　「世界の中の日本」「女性リーダー育成奨励制度」ハンガリー・ブダペスト商科大学において研修を実施しました
城西大学・城西国際大学の学生30名が、ハンガリー・ブダペスト商科大学(BBS)における研修に参加しました。本研修は、両大学で始まった講義「世界の中の日本」と、それに連動する海外インターンシップ「国際グローバル研修」のプログラムとして実施されました。

2013年2月5日　本学にて、V4＋日本　東方パートナーシップ・セミナーを開催しました
セミナーには、日本政府をはじめ、V4および東方パートナーシップ対象国の大使や22カ国の大使館の外交団、本学関係者、学生、有識者、本学のグローバル教育を支援していただいている企業の方々ら約150名が参加しました。

2012年10月16日　チェコ国立銀行副総裁が来学、講演しました
ヴラジミール・トムシーク副総裁に「チェコ経済と金融政策、欧州債務危機の衝撃」と題したご講演をいただきました。講演では、チェコ経済の概要・特長や、経済危機におけるチェコ経済と国立銀行の金融政策、今後のマクロ経済の見通し、欧州経済危機のインパクトなどについて貴重なお話をいただきました。出席していた学生たちは皆熱心に講演に聞き入っており、講演後には活発な質疑応答がありました。

2012年4月12日　ポーランド大統領夫人が来学しました
ポーランド共和国、アンナ・コモロフスカ大統領夫人ご一行が学校法人城西大学の東京紀尾井町キャンパスに来学し、水田理事長と会見しました。

2011年5月18日　水田理事長にハンガリー共和国より文化勲章が授与されました
ハンガリー大使館において、ボハール・エルヌーハンガリー共和国特命全権大使より、本学水田宗子理事長へ、ハンガリー共和国より“Pro Cultura Hungarica”が授与されました。

2009年12月3日 ハンガリー共和国大統領が本学にて特別講演
12月3日（木）、ハンガリー共和国のショーヨム・ラースロー大統領閣下が、本学紀尾井町キャンパスをご訪問され、特別講演および学生たちとの交流を行われました。